和室(畳部屋)の使い方を考えよう!畳の種類もご紹介

Photo by ヤマダホームズ
注文住宅を建てるとき、和室(畳部屋)を取り入れるかがポイントになる方も多いのではないでしょうか。日本人になじみの深い畳部屋は、利便性が高く、近年おしゃれな和モダン空間として取り入れる方が増えています。
今回は畳部屋を導入するときのメリット・デメリットと使い方についてご紹介します。
目次
日本人はやっぱり和室!畳部屋のメリット・デメリット

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ここでは、畳の特性や畳部屋を取り入れる際のメリット・デメリットをご紹介します。ぜひ参考にしてください。
畳のメリット
①い草の匂いでリラックス
畳に使われているのは、い草という植物です。い草独特の香りには、鎮静効果があると言われており、畳部屋がなんとなく落ち着くと感じる理由のひとつです。
②汎用性が高く、どんな場面にも合わせやすい
畳=和室とイメージしがちですが、洋室や洋風家具と組み合わせ和モダンな雰囲気を作ることもできます。また、用途に合わせて、客間、寝室、子ども部屋など、利用範囲が広いのも特徴です。
例えば、リビングの一角に小上がりの畳エリアを作り、生活空間を分けるといった使い方もできます。
③湿度を調整してくれる
最近では科学繊維で作られた畳もありますが、い草で作られた畳であれば、空気中の湿気を吸ったり吐き出したりすることで、湿度を調整してくれます。加えて、空気中に含まれている二酸化窒素を吸着することによって、空気を浄化してくれる効果も併せ持っています。
④防音効果がある
畳の中には、空気の層があり、この層がクッションの役目を担っています。このクッションは衝撃だけでなく、音を吸い取る効果もあります。子どもが走り回ったりする足音などを吸収してくれるので、防音効果が期待できます。
⑤ライフスタイルに合わせて使い方を変えやすい
畳部屋はライフスタイルに合わせて簡単に使い方を変えることができます。日中は座敷や居間として使い、夜は布団を引いて寝室にする。ときには机をおいて、書斎として利用することができるなど、臨機応変に使い分けられることが畳部屋のメリットです。
また、最初は子どもの遊び場、大きくなったら寝室、定年後は客間といったように、家族の年齢によって利用方法を変えていくこともできます。
畳のデメリット
多くのメリットがある畳ですが、デメリットもあります。デメリットを事前に把握しておくことで対策が取れるため、確認しておきましょう。
①退色する
畳はもともときれいな緑色をしていますが、年数が経つと、日焼けや酸化によって色が変わってしまいます。古民家などで茶色い畳を目にすることがありますが、これは劣化ではなく退色で、すぐに交換が必要というわけではありません。
しかし、畳の色合いを緑にキープしたい方にとっては、デメリットになるでしょう。色が変わってきたな…と感じたら、新しい畳に入れ替えるのもひとつの方法です。
②家具を置くと跡が付くことがある
畳はクッション性があり、衝撃や音などを吸収してくれますが、その柔らかいというメリットが、ものを置くと跡が付きやすいというデメリットに。家具などを置く場合は、畳が変形しないよう工夫が必要です。
③汚れを取るのが難しい
畳はい草を編んで作られているため、汚れが染み込みやすく、拭いても落ちにくいこともデメリットと言えるでしょう。液体をこぼしてしまうと、シミになってしまうことも。タバコの灰が落ちて焦げになることもあるので、気をつけておきましょう。
④日々の換気が必要
畳は換気不足になると、湿度が上昇してしまいます。湿度が上昇すると、畳にカビやダニが発生してしまうこともありますので、部屋の換気をこまめにすることが大切です。
また、湿度が上がりすぎないように、加湿器の使用や洗濯物の部屋干しなどは、なるべく避けたほうがいいでしょう。
おしゃれな和室は畳の種類にもこだわるべし!

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畳は大きく分けて「縁あり」と「縁なし」に分類できます。好みや使い方に合ったデザインを選びましょう。
縁あり
一般的にイメージする、各辺に縁が付いている畳が縁あり畳です。縁は畳縁と呼ばれ、素材・色・柄は畳によって様々です。周りが畳縁で補強されているため、縁なしの畳に比べ、角が痛みにくく、耐久性が高いのが特徴です。
縁なし
琉球畳などの畳縁がない畳です。インテリアとしてもおしゃれで、い草以外にも化学繊維や和紙といった素材のバリエーションがあります。
一般的な畳の半分の大きさで、パッチワークのように色違いの畳を組み合わせたり、フローリングに敷いたりすることもできるため、デザインの自由度が高いのが特徴です。
畳のサイズ
畳1畳の広さは、地域によって異なります。種類としては、京間・中京間・江戸間・団地間があります。
京間(西日本エリア):191.0cm×95.5cm=1.82㎡
中京間(東海エリア):182.0cm×91.0cm=1.65㎡
江戸間(東日本エリア):176.0cm×88.0cm=1.54㎡
団地間(エリアに関係なし):170.0cm×85.0cm=1.44㎡
エリアに関係なく、建設会社の企画によって、広さに違いがある場合があります。イメージと実際に敷く畳の数や広さに違いがあることもありますので、事前に確認しておくといいでしょう。
おしゃれですてきな和室の使い方をご紹介

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リラックス効果もあり、日本人にはなじみ深い畳部屋。ここでは、使いやすくおしゃれな畳部屋の間取りをご紹介します。
小上がりを畳にする
リビングやダイニングに小上がりの畳部屋を作るスタイルです。
小上がりは、リビングやダイニングと空間を分けられるので、ちょっとしたリラックススペースとしても利用できますし、座って洗濯物を畳んだり、アイロンがけをしたりするのに便利です。来客があった場合には客間として利用するのもいいでしょう。
また、小上がり下のスペースは大型の収納として利用できるのも嬉しいポイントです。
ベッドルームとして利用する
布団を敷くのが億劫、寝起きを楽にしたい場合は、畳部屋でベッドを利用するといいでしょう。小物や家具を工夫をして、ホテルや旅館のように和モダンな空間にまとめるのもおしゃれですね。
畳部屋にベッドを置く際は、畳に凹みをつけないように、おしゃれなカーペットやマットといった敷物を引くと安心です。
子ども用のスペースとして利用する
リビングやダイニングの横に和室を設置して、子ども用スペースとして活用する方法もあります。
畳は他の床材と比べてクッション性があるため、転んでも痛みが少なく、自然素材である畳自体に抗菌性があるため、清潔感もあります。リビングと和室をフラットにつなぐことで、つまずきによる転倒のリスクを抑え、空間を広く見せることもできます。
子どもが使っていないときには、テーブルと座布団を置き、客間として利用することも可能です。
書斎として利用する
落ち着いた和室で、畳に座って仕事や趣味を楽しみたい人には、書斎としての利用がおすすめです。床と机が近い分、資料や道具を広げやすく、視野も広くなるといったメリットもあります。さらに、畳自体にリラックス効果があるので、煮詰まったときなど、横になることで、気分転換することもできます。ただし、直に座って作業するため、机と自分の体のバランスをしっかり確認しておかないと、猫背や腰痛を引き起こすこともあります。座椅子を置くなどして対策を取りましょう。
おわりに
和室(畳部屋)は汎用性も高く、ライフスタイルに合わせた間取りにしやすいのが特徴です。今後長く住み続けることを想像しながら、今回紹介したメリット・デメリットを踏まえて、ぜひライフスタイルにぴったりの畳部屋を考えてみてください。

スマチエ編集部

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